地政学リスクとFRB独立性懸念が金価格を押し上げ、住友金属鉱山(5713)の株価が反発
COMEX金先物が地政学リスクと米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性懸念から急騰したことを受け、住友金属鉱山(5713)の株価は5月12日、一時¥10,875まで上昇し、前日比7.1%高で取引されている。同社株は前日の終値¥10,155から大きく反発している。
金価格は、FRBのパウエル議長に対する司法省の捜査報道による独立性への懸念や、イランでの抗議デモによる地政学的な緊張の高まりが安全資産としての金買いを誘発し、113.8ドル高の4,614.7ドルを記録した。この金価格の急騰が、金鉱山事業を手掛ける住友金属鉱山への買いを促したと、livedoor newsが5月12日に報じている。加えて、5月上旬に発生したフィリピンのニッケル工場に対するランサムウェア攻撃が生産に影響なく収束したとのニュースも、市場に安心感を与え、株価上昇を後押ししたとsimplywall.stが伝えている。
同社株は、5月8日に非鉄金属価格高騰への期待から4.0%上昇していたが、5月11日には4.3%下落していた。今回の急騰は、金価格高騰と銅供給不足への期待から3.2%上昇したとの報道に続くものであり、市場は金鉱山株としての同社を評価している。アナリスト予想も「買い」、目標株価¥10,371と強気の見方が継続していると、minkabu.jpが5月12日に報じている。
地政学リスクとFRB懸念が金鉱山株に与える影響
住友金属鉱山は、金、銅、ニッケルといった非鉄金属の採掘、製錬、そして販売を主要な事業としています。これらの金属は、スマートフォンなどの電子機器、自動車、建築材料、そして宝飾品など、幅広い産業で不可欠な素材として利用されており、同社は世界中の顧客に供給することで収益を上げています。
本日の住友金属鉱山株の大きな動きは、COMEX金先物価格の急騰に直接起因しています。イランでの抗議デモによる地政学的な緊張の高まりに加え、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に対する司法省の捜査報道がFRBの独立性への懸念を引き起こし、これらが安全資産としての金への買いを誘発しました。その結果、金価格は1トロイオンスあたり113.8ドル高の4,614.7ドルまで急騰し、同社の主要事業である金鉱山部門への期待が高まりました。フィリピンのニッケル工場に対するランサムウェア攻撃が生産に影響なく収束したとのニュースも市場に安心感を与えました。
このような金価格の急騰は、住友金属鉱山のような金鉱山事業を手掛ける企業にとって収益改善への期待を高めるため、投資家の買いを呼び込みました。これにより、同社株は前日の終値¥10,155から7.1%上昇し、現在¥10,875で取引されています。
これはまるで、世界情勢が不安定になるたびに、人々が安全を求めて貯蓄をタンス預金に切り替えるようなものです。タンス預金が増えれば、金庫の製造や販売を手掛ける会社の業績が上向くのと同様に、地政学的な不安や金融システムへの疑念が高まると、投資家は安全資産である金に資金を移し、その結果として金鉱山会社の株価が上昇するのです。

Sumitomo Metal Mining Co., Ltd.
住友金属鉱山株式会社(5713)は、日本および海外で鉱山開発、製錬、非鉄金属精製を手掛ける素材セクターの企業です。事業は鉱山資源、製錬・精製、および材料の三つのセグメントで構成されています。銅、ニッケル・コバルト、金などの金属製品に加え、ニッケル水酸化物やリチウムニッケル・コバルト・アルミニウム酸化物といった電池材料を提供しています。また、リチウムタンタレート、光学アイソレーターなどの結晶材料、厚膜ペースト、ニッケル粉末、銅微粉末などの粉末材料も製造しています。さらに、銅張ポリイミドフィルムなどのパッケージ材料、自動車・化学触媒、建設材料、端子・コネクタ、レンズ鏡筒も手掛けています。水処理、環境関連エンジニアリング、照射による滅菌・改質、国内海上輸送、不動産、技術エンジニアリング事業も展開しています。同社は1590年に創業し、東京都に本社を置いています。