ニコン(7731)、新中期経営計画発表で株価上昇; 半導体・宇宙に3,500億円投資
ニコン(7731)の株価は、同社が2031年3月期までの新中期経営計画を発表したことを好感し、上昇している。同社株は現在¥1,856で取引されており、前日終値の¥1,800から3.1%高となっている。
この計画では、半導体製造装置、宇宙、防衛、カメラ事業に総額3,500億円を投資する方針が示された。特に、2026年3月期に過去最大の赤字を計上した後の再成長戦略として、ArF露光装置の需要増加とASMLへの依存リスク低減が強調されている。この発表は、5月8日に公開された金融ニュースワイヤーで報じられた。
市場では、4月30日に開示された精機事業における一時費用計上(固定資産減損・棚卸評価損)が既に株価に織り込み済みであるとの見方が広がっている。ニコンの株価は、この新中期経営計画への期待から、前日終値から上昇を続けている。
ニコンが半導体露光装置事業への再投資で市場の期待に応える理由
ニコンは、カメラや光学機器で広く知られる日本の精密機器メーカーです。同社の事業の根幹は、高度な光学技術を駆使した製品群にあります。具体的には、デジタルカメラや交換レンズ、顕微鏡といった映像・光学事業に加え、半導体製造に不可欠な露光装置やFPD(フラットパネルディスプレイ)露光装置を手がける精機事業が収益の大きな柱となっています。これらの製品は、プロフェッショナルな写真家から研究機関、そして世界中のエレクトロニクス産業まで、幅広い顧客に供給され、その精密な技術力で収益を上げています。
本日、ニコンが発表した2031年3月期までの中期経営計画が、市場で好意的に受け止められ、株価を押し上げる主要な要因となりました。この計画では、過去最大の赤字を計上した2026年3月期からの再成長戦略として、半導体製造装置、宇宙、防衛、カメラ事業に総額3,500億円を投資する方針が示されています。特に注目されたのは、半導体露光装置の中でも、ASMLへの依存度を低減しつつ、需要が増加しているArF露光装置への注力です。これは、特定のサプライヤーに偏ることなく、自社の強みを活かして市場の変化に対応しようとする明確な意思表示と捉えられました。
このような再成長への意欲と具体的な投資計画が評価され、ニコンの株価は前日終値の¥1,800から3.1%上昇し、現在¥1,856で取引されています。市場は、4月30日に開示された精機事業における一時費用計上が既に株価に織り込み済みであると見ており、新たな成長戦略への期待が先行しています。
これはまるで、かつて一世を風靡した老舗の寿司職人が、一時的に客足が遠のいたものの、伝統の技を守りつつも新たな仕入れ先を開拓し、旬の素材を積極的に取り入れることで、再び客の信頼と期待を取り戻すようなものです。ニコンもまた、過去の苦境を乗り越え、自社の強みである技術を再投資することで、市場からの評価を回復させようとしています。

Nikon Corp.
ニコン(7731)は、日本を拠点に北米、欧州、中国、タイなど世界各地で光学機器を展開する企業です。事業は映像事業、精機事業、ヘルスケア事業の三つの柱で構成されています。映像事業ではデジタル一眼レフカメラ、コンパクトデジタルカメラ、交換レンズの開発・製造・販売・サービスを手掛け、精機事業ではFPD露光装置や半導体露光装置を提供しています。ヘルスケア事業では生物顕微鏡、細胞培養観察装置、超広角走査型眼底撮影装置などを扱います。さらに、工業用顕微鏡、測定機、非接触三次元測定機、X線・CT検査装置、測量機、特注品、ガラス、エンコーダ、眼鏡レンズ、フォトマスク基板、カメラ部品、スポーツ光学製品、成形光学ガラスなども供給し、ソフトウェアの開発・サポートも行っています。1917年に設立され、本社を東京に構えています。