サノフィ(SAN)、CIDP治療薬の第3相試験中止で株価下落
フランスの製薬大手サノフィは、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)を対象とした治療薬riliprubartの第3相MOBILIZE試験を中止すると2026年6月10日に発表しました。中間解析の結果、十分な有効性が確認されなかったためです。これを受け、サノフィ(SAN)の株価は本日、0.4%安の€75.70で取引されています。
同社は、プログラムの中止にもかかわらず、riliprubartに関する安全性上の懸念は特定されていないと説明しました。また、サノフィは2026年度の業績見通しを据え置くことを確認しており、今回の事象が短期的な見通しに影響を与えないことを示唆しています。
今回の発表は、この1週間の株価の変動を受けています。前日の6月10日には、株価は1.3%下落し、€76.01で取引を終えていました。それ以前の6月8日には、欧州連合(EU)における多発性骨髄腫治療薬Sarclisaの承認を受けて、株価は0.5%安となっていました。これらの変動は、6月4日にジェフリーズが同社株の「買い」推奨を維持し、株価が3.1%上昇した後の動きです。
サノフィ株、治験中止が示す医薬品開発の厳しさ
サノフィは、フランスを拠点とする世界的な製薬大手企業です。その事業は、革新的な治療法の研究、開発、そして商業化に集中しており、ワクチンから専門医薬品、一般用医薬品に至るまで幅広い製品を手掛けています。世界中の何百万人もの患者や医療従事者にこれらの製品を提供し、特許を持つ治療薬や一般用医薬品の販売を通じて収益を上げています。
本日株価が動いた主な理由は、サノフィが2026年6月10日に発表した、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)を対象とした治療薬「リリプルバート」の第3相臨床試験「MOBILIZE」の中止です。中間解析の結果、この治療薬の有効性が不十分であることが判明し、開発プログラムの断念に至りました。安全性に関する懸念はなく、2026年の業績見通しは維持されると会社は説明していますが、この失敗は研究開発投資の損失と、将来的な収益機会の逸失を意味します。
このニュースを直接受け、サノフィの株価は本日2026年6月11日、昨日の終値€76.01から0.4%下落し、€75.70で取引されています。
これは、まるで自動車メーカーが莫大な費用と時間をかけて新型車の開発を進めたものの、最終的な衝突安全試験で目標とする安全基準を満たせず、そのモデルの発売を断念するようなものです。それまでの開発努力と投資は、残念ながら実を結ぶことなく終わってしまいます。

Sanofi
サノフィ(SAN)は、米国、欧州、および国際市場で治療薬の研究、開発、製造、販売を手掛ける製薬会社です。医薬品、ワクチン、コンシューマーヘルスケアの三つの事業セグメントを通じて事業を展開しています。医薬品分野では、ヒトモノクローナル抗体を含むスペシャリティケア製品、多発性硬化症、神経疾患、その他の炎症性疾患、免疫疾患、希少疾患、腫瘍、希少血液疾患治療薬、糖尿病治療薬、心血管疾患治療薬、確立された処方薬を提供しています。ワクチン事業では、ポリオ、百日咳、Hib小児用ワクチン、インフルエンザ、成人用ブースター、髄膜炎、旅行・風土病ワクチンなどを供給しています。コンシューマーヘルスケア部門では、アレルギー、咳・風邪、痛み止め、肝臓ケア、身体的・精神的健康、プロバイオティクス、消化器系製品、および日常用ボディローション、かゆみ止め、保湿・鎮静ローション、ボディ・フットクリーム、湿疹用パウダーなどの製品を取り扱っています。同社はグラクソ・スミスクラインと新型コロナウイルス組換えワクチン開発で提携しており、スタンフォード大学医学部とは免疫学・炎症に関する研究協力を進めています。1973年に設立され、本社はフランスのパリにあります。