富士通(6702)、AIによるSIer事業崩壊懸念で株価下落も収益貢献は顕著
AIの進化がシステムインテグレーター(SIer)事業を崩壊させるという市場の懸念が先行し、富士通(6702)の株価は本日、3.9%下落している。同社株は現在¥3,056で取引されており、前日の終値¥3,180から値を下げた。
Yahoo!ファイナンスが4月30日に公開した記事によると、投資家は「AI普及でSIerの仕事がなくなる」との見方から売りを強めた。しかし、富士通は直近の決算でAI活用により営業利益を前年比約2倍に大幅増益させた実績を公表している。
この日の下落は、公正取引委員会が談合関与を指摘したことを受け、前日に 13.9%安を記録した動きに続くものとなる。同社は4月28日には、生成AI活用による営業利益の急伸が報じられ、株価は3.5%上昇していた。
AIがシステムインテグレーター事業にもたらす市場の懸念
富士通は、企業や官公庁向けに情報システムの設計、構築、運用、保守といったシステムインテグレーション(SIer)サービスを中核事業としています。加えて、サーバーやストレージなどのハードウェア、ソフトウェアの開発・提供も手掛け、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援することで収益を上げています。そのビジネスモデルは、複雑なIT課題を解決する専門知識と技術力に強みがあります。
本日、市場はAI技術の急速な進化がシステムインテグレーターのビジネスモデルを根本から変え、あるいは既存の業務を代替してしまうのではないかという懸念を強く抱きました。この「AIがSIerの仕事を奪う」という見方が先行し、投資家は富士通株を売却する動きを強めています。同社は直近の決算でAI活用による営業利益の大幅増益を発表しているものの、市場の懸念はこれを上回った形です。
こうした市場の懸念が先行した結果、富士通の株価は本日3.9%下落し、現在は前日の終値¥3,180から値を下げて¥3,056で取引されています。
これはまるで、熟練した職人が手作業で行っていた複雑な作業を、最新の自動化技術が「より速く、より安く」できると市場が信じ始めた状況に似ています。たとえその職人がすでに新しい技術を積極的に取り入れ、生産性を向上させていると説明しても、市場は将来の需要減少や競争激化を恐れ、その職人の工房の価値を一旦低く見積もっていると言えるでしょう。

Fujitsu Ltd.
富士通株式会社(6702)は、日本および国際的にICTサービスを提供する企業です。テクノロジーソリューション、ユビキタスソリューション、デバイスソリューションの3つの事業セグメントを展開しています。マルチクラウド・ハイブリッドITサービス、SAPランドスケープ変革、データセンター製品(ストレージ、サーバー、ネットワークスイッチなど)、ワークプレイス製品(PC、ワークステーション)、消費型ITサービス、設置・導入サービス、ハードウェア・ソフトウェアサポートを提供しています。また、サイバーセキュリティ、IoT、AIプラットフォーム、FUJITSU Software Infrastructure Managerなどのソフトウェア製品も手掛けています。半導体パッケージやバッテリーなどの電子部品も製造し、自動車、製造、金融、通信、医療、公共部門など幅広い産業にサービスを提供しています。1923年に設立され、本社は東京にあります。